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WR開発秘話その2──FI開発

2008年06月27日 14:00 カテゴリ:WR250R,WR250X

こんにちは、ヤマハ発動機販売の高橋です。

今年初め、全4回にわたってエントリーした「WR開発秘話」。実験を担当した4人の技術者とのお話は、内容が濃く、実に面白かったのです。これに味を占め“今度は設計担当者に話を聞きたい”と思っていたのですが、その願いがやっと叶いました。

ということで、久しぶりに「WR開発秘話」をお伝えしたいと思います。お集まりいただいたのはエンジン設計担当の森山と制御担当の渋谷です。

── ── ── ── ── ─── ── ─── ── ──

森山
「クルマの世界では、それこそ30年前からフューエルインジェクション(以下FI)の歴史が始まりました。しかしオートバイのFIは、スーパースポーツで7年前から、シングルエンジンがFI化されたのはつい最近のことなのです。ヤマハで言うと輸出モデルのXT660からですね。そしてシングルエンジンのFIは非常に難しいのです。四輪で培われてきた、これまでのFI技術が通じないんですね」

フューエルインジェクション

渋谷
「そうですね。4ストロークエンジンは、吸気、圧縮、爆発、排気というエンジンの基本行程をクランク2回転=720度で行います。シングルエンジンはピストンが1つしかありませんので、爆発は720度に1回しかありません。これが問題なんです。なぜなら、この爆発が走行フィーリングに大きな影響を及ぼすのです。

4気筒エンジンはピストンが4つありますので、基本行程をずらし各シリンダーが180度間隔で爆発しています。その分、燃料の噴射や点火を細かく制御することができる。でもシングルエンジンの720度という爆発間隔は意外に長くて、その間にアクセル操作によるトルクやエンジン回転変動が大きくて、制御が難しくなるんです。シングルエンジンは、1回の爆発をいかに安定させるかが重要になってきます」

森山
「でも、そういう作り込みができること自体、うれしいことなんですよ。キャブレター装着車の場合、その特性からあきらめざるを得ない部分がありましたから。それが、技術の進歩と経験によって、いくらでも作り込むことが可能です。WRは、シングルエンジンのFIを初めて手掛けたXT660から3機種目ですが、各モデルで得たノウハウが確実に反映されています」

WR250

渋谷
「FIの開発は、とにかく際限がないんです。WRではピークパワーを超えた後の、出力の落ち方も制御していますから。とにかく、考えられることは全てやるといった感じでした」

── ── ── ── ── ─── ── ─── ── ──

シングルエンジンと4気筒エンジンで、FIのプログラムが異なるなんて、知りませんでした。

この「開発秘話その2」、まだまだ続きます。

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